タナカ

多分めっちゃタメにならない

浮気

松屋で牛焼肉定食というのをよく食べる、という話を少し前に書いたのだが、この前ふと吉野家に足を運んでしまった。目当ては牛カルビ丼である。吉野家の牛カルビ丼の存在はずいぶん前から知っていたし、もっと言うと食べたこともあった。しつこいがもっともっと言うと結構好んで食べていた、浪人期に。ふと足を運んだ吉野家で浪人を思い出すとは思わなかった。夏というパリピな季節くらい浪人という闇を忘れさせてくれてもいいのに。吉野家にも牛カルビ丼にも罪はないし、浪人生にとって食事は唯一与えられた権利であるので牛カルビ丼で思い出すのは浪人期のうちでも楽しいものなので、そんなにへこむことはない。そして、この牛カルビ丼というのがまぁおいしい。これを浮気というのだろう。世間で騒がれているのに比べればかわいい浮気である。誰も被害を受けない。牛焼肉定食が「浮気だ!」なんて言ってくるわけない。そんなにひどい妄想癖はない。牛焼肉定食にも一つ不満があったが、牛カルビ丼のもある。ついてくるコチュジャンの量だ。足りない。思うんだが、あれは並盛でも大盛でも特盛でも同じサイズのものでないか?「特盛は肉が倍!」そこまで明確に言ってるのに、コチュジャンは倍にしないのか。いや待て。僕は今まで特盛しか頼んだことがない。つまり並盛のコチュジャンの量を知らない。これが特盛の半分の量であったら、問題はないのか。いや、そしたら全体的にコチュジャンの量が少ない。いやもういい。根本の話をするが、牛カルビ丼はコチュジャンがなくても十分おいしい。これで平和的解決だ。そう思いながら、ふと吉野家の壁に貼ってあった「天ぷら定期券」の広告をみた。これは、はなまるうどんでは天ぷらが一個もらえ、吉野家だと値段がいくらか安くなる定期券であった(ほかにも特典があったかもしれない)。「そういえば、よくはなまるうどんで天ぷらもらったなぁ、浪人期に」おい、吉野家。浪人を二回も思い出させたな。僕が何をしたっていうんだ。いや、何もしなかったんだ、勉強を。こうしてこの話を書き終え、ゆっくりと松屋に向かった。