タナカ

多分めっちゃタメにならない

女と嘘

少し前の話になる。

 

「えぇ山本美月に似てる〜」

目の前の女子2人のうちの1人の発言だった。状況としては、互いに自己紹介を終えた後の一言だったのであろう。この発言に僕は異論を唱えたいわけではない。僕が「異議あり」なのは山本美月に似てると言われた女の顔である。僕にはゴジラにしか見えなかった。山本美月と言うには程遠い。人の感性はそれぞれだが、発言した女は相当な感性なんだろう。絵描きにでもなったほうがいいかもしれない。第二のピカソとでも呼ばれておけ。おふざけはここまでだ。まったく、発言した女に恐怖を覚えた。ここまで清々しく嘘がつけるものかと。ある程度の嘘は世の中を円滑に動かすために必要であると思う。ハゲにハゲと言える世の中は争いが絶えないであろう。それでもだ。「かわいい〜」くらいでいいだろう。なんで芸能人に例える?なんでだ。女子は怖い。その一言に尽きる。

そんなことを考えながらバイトの作業をこなしていた。そしてバイトも終わり、まかないを食べているときに女の先輩に言われた。

「男前だね」

嬉しい限りである。