タナカ

多分めっちゃタメにならない

夏に襲われています

「暑い」この言葉だけでせっかくの京都での夏一年目が終わってしまうのも惜しいが、そうなりそうである。花火を見て「きれい」と言ったり、祇園祭で「楽しいね」なんて言葉を残してみたかった。後者に関しては本当に「暑い」しか言わなかった。茨城県からの刺客は京都の暑さには耐えられない。しかも圧倒的な人の量である。日本で一番人口密度が高いのではないか、と疑うほどである。わざわざ好んでこの祭りにくるのは、多分祇園祭に謎の幻想を抱いている僕のような田舎民だろう。

祇園祭もそうだったが、とにかく暑いのである。今年が記録的猛暑であるのか、盆地であるがゆえ京都がほかに比べ異常に暑いのかわからないが、この夏が来年も再来年も続くのであれば地獄である。サウナに強い体にはなるかもしれないが、そんなの別に求めてもいない。別に砂漠に派遣される予定もない。

今年の夏は“どう楽しむか”というよりは“どう乗り越えるか”になりそうでなんとも趣がない。しかし、夏を楽しむ方法を一つ、この間知った。夏とはいえ太陽の出ていない夜はやはりそれなりに涼しい。深夜に自転車に乗って、長い下り坂をとばして下る。これをする季節が夏である必要があるのかと言われたらそうでもないが、夏だから涼しい夜しかできないという限定性に魅力はあるのかもしれない。

夏に襲われている、そんな受動的ではあるが、京都にいるうちしか味わえない限定的な夏。どうせなら楽しみたい。